「知財管理」誌
Vol.75 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 4号 / 393頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 新概念「発明開発」の可能性と「発明倍増計画」─知的創造サイクル再考を通じた論点─ |
著者 | 妹尾堅一郎 |
抄録 | 「知的創造サイクル」は広く知財関係者に普及している知財マネジメントの基本概念である。だが、それを再点検すると4つの論点が浮かぶ。 第1に、知的創造サイクルと対をなす「事業創造サイクル」の理解が進んでおらず、そのための知財部門の関わり方が認識しきれていないこと。第2に、サイクルのノードである「創出」「保護・権利化」「活用」の概念、およびそれらを繋ぐ「→」の意味に関する理解も、実は曖昧であり、明快な再定義とその普及が必要であること。第3は、ノードの「創出」と「保護・権利化」の間にある「→」として、「発明発掘」に替わるべき新概念として「発明開発」を入れ、「発明倍増計画」を検討すべきこと。第4は、「活用」について、ビジネスモデルの観点から実践的な知識を提供すべきこと。 本稿では、このうち第1と第3の論点について、現時点での議論の概要を紹介し、知財マネジメントの事業貢献に関する示唆と含意について考察を行う。 |
