「知財管理」誌
Vol.75 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 3号 / 350頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 559) |
論文名 | (No. 559) ソースコードの分量を考慮してプログラムの著作物性を肯定した事例 ─プログラムの創作性判断における量的な基準について─ |
著者 | 甲斐一真 |
抄録 | プログラムの著作物該当性の判断においては、創作性の有無が問題になるところ、製図プログラム事件においてその一般的な判断基準が示され、その後、宇宙開発事業団プログラム事件において、「選択の幅」が考慮されることが示された。また、「膨大な量のソースコードからなり、そこに含まれる関数も多数にのぼる」場合に、「特段の事情」がない限り、創作性を肯定できるとするNew増田足事件が存在しているところ、大阪地判令和6年1月29日(以下「本件判決」という。)は、これと同様に、ソースコードの分量を考慮してプログラムの創作性を肯定した事案である。本稿では、各裁判例が示したプログラムの創作性の判断基準を確認した上で、近年のプログラムの著作物に関する裁判例において、New増田足事件が示したような量的な基準が、どのように適用されているかを分析し、最後に、本件判決の結論について若干の考察を加える。 |
