「知財管理」誌
Vol.75 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 3号 / 319頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 無効資料としての非特許文献の活用に関する調査・研究 |
著者 | 特許第2委員会 第2小委員会 |
抄録 | 特許の審決取消訴訟や特許権侵害訴訟等において、新規性、進歩性の観点から特許が無効とされるべき旨を主張する際、特許文献は課題等の項目が形式的に整った形で記載されているため当該特許文献と他の文献等とを組み合わせるなどのための動機付けが容易であること、公開日が明確であることなどから、特許文献が先行文献の第一の候補となる。一方で、無効を主張する根拠となるにふさわしい特許文献が無いような場合には、特許文献以外の論文、書籍、製品、Web page、カタログ等の証拠(以下、非特許文献と称する)を先行技術として用いざるを得ない場合もある。 本稿では、審決取消訴訟や特許権侵害訴訟の裁判例を調査し、特許の無効化における非特許文献と特許文献の活用状況を比較するとともに、非特許文献の種類ごとに無効化率を分析した。また、非特許文献を無効資料として用いる場合の実務者への提言を目的として、非特許文献を用いて新規性や進歩性の観点から特許を無効化する場合の注意点や、非特許文献の日付などの証拠の信用性における注 意点について考察し、その考察結果をまとめた。 |
