「知財管理」誌
Vol.74 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 74巻(2024年) / 9号 / 1078頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 拒絶査定不服審判における請求成立率の低い技術分野の拒絶理由に関する分析 |
著者 | 特許第2委員会 第3小委員会 |
抄録 | 2022年版の特許行政年次報告書1)によると、特許の拒絶査定不服審判の請求成立率は上昇傾向が続いており、2012年では56%、2021年では77%と約1.4倍に上昇している。請求成立率が上昇する一方で、請求不成立となった出願は登録が困難な要因が含まれているのではないかと考え、本稿では、拒絶査定不服審判が請求不成立となった特許出願に着目し、その中でも請求成立率の低い技術分野を特定した。また、それらの適用条文を分析したところ、請求成立率の低い技術分野では、請求成立率の高い技術分野と比較して、進歩性違反とサポート要件違反を合わせて通知されたものが多いことが明らかとなった。本結果を踏まえて、出願人として拒絶査定不服審判の請求を成立させるための出願時、審査及び拒絶査定不服審判での対応策を提案し、請求成立率の低い技術分野の特許権利に潜む無効リスクについて考察する。 |