「知財管理」誌
Vol.74 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 74巻(2024年) / 8号 / 933頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | “技術知”を“事業資源”という概念でとらえ直す─「知的資源」と経営活動─ |
著者 | 妹尾堅一郎 |
抄録 | 人は、「財産(権)」と聞くと、それを増やして守ろうと思う。「資産」と聞くと、それを増やして運用しようと考える。では、「資源」と聞くとどうか。おそらく、それを活かして事業を行おうとするだろう。そこで技術知を事業資源として捉え直してみてはどうか。 事業資源の見方は、時代と共に変わってきた。昭和は「ヒト・モノ・カネ」だった。平成には「有形資産・無形資産」と捉え直された。令和は「モノ・エネルギー・情報」が中核資源として認識されている。ただし、これらは累積する。重ね合わせれば「ヒト・モノ・カネ・エネルギー・知(情報を含む)」となる。このことを踏まえて、「知的財産」や「知的資産」を、経営・事業の観点から「事業資源」の一つである「知的資源」として捉え直してみよう。本稿は、経営活動を「事業と資源のポートフォリオ・メンテナンス」であると捉え、経営者の知財理解への糸口として、知財・標準マネジメントに関する示唆を検討する。 |