「知財管理」誌
Vol.74 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 74巻(2024年) / 3号 / 367頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 90) |
論文名 | (No. 90) [米国]著名商標のパロディによる商標権侵害と 表現の自由の間のボーダーライン |
著者 | 堀江亮平 |
抄録 | 米国における著名商標のパロディと商標権との間での争いにおいては、パロディ側が「表現の自由」や「公正な使用」を根拠に抗弁することが珍しくない。本裁判例においても同様で、一審で商標権者側の主張が認められた後、控訴審ではパロディ側の主張が認められ、最終的に最高裁は一審の考え方を支持した(混同のおそれの有無等については判断せずに下級審へ差し戻し)。パロディと商標権との間での争いにおいては、(1)商標権侵害(混同のおそれ)と(2)著名商標の希釈化の問題になることが多い。それぞれの条文の内容を確認した上で、(1)への抗弁となる「ロジャーズ・テスト」、及び、(2)への抗弁となる「公正な使用」「非営業的使用」について内容を解説し、各裁判所で判断が異なった点を考察する。最後に、パロディと商標権との間で争われた裁判例を紹介し、商標権と表現の自由のいずれの公益性が優先されるかのボーダーラインについての理解を深める。 |