抄録 |
2023年4月3日、Ironburg Inventions Ltd.対Valve Corp.事件の判決において、連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は、当事者系レビュー(IPR)エストッペルの適用について指針を示した。合衆国法典第35編第315条(e)項(2)号(Title 35 of the U.S. Code, Section 315( e)( 2))によると、申立人は、民事訴訟及び国際貿易委員会の手続きのいずれにおいても、申立人がIPRにおいて「合理的に主張し得たはず」の無効論を主張することはできない。CAFCは、IPRエストッペルは、申立人が「丹念な調査を行った熟練サーチャーが合理的に発見することが期待できた無効理由」を主張することを阻止するとし、さらに、エストッペルを主張する当事者(すなわち特許権者)がエストッペルが適用されることを証明する責めを負うと判示した。今回の判決により、今後の訴訟においては、当業者であるサーチャーが合理的に調査すれば見つけたであろう先行技術文献について、事実に関する証拠開示(factual discovery)と専門家による証拠開示(expert discovery)の双方が必要になると思われる。 |