「知財管理」誌
Vol.73 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 5号 / 557頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 台湾における結晶形関連発明の進歩性判断 及びパテントリンケージ制度の有効活用 |
著者 | 黄 瑞賢/陳 薏婷 |
抄録 | 結晶形特許は、医薬品のライフサイクルを延長するためのポートフォリオ構築において重要な位置を占めると共に、最終商品化の医薬製剤にも大きく関与している。しかし、医薬品結晶形特許の大半は既知化合物の新たな結晶形に関するものであり、この種の特許の進歩性判断は、新たな結晶形に係る技術的効果の認定が焦点となることが多い。本稿では、台湾及び中国の判決を整理し、医薬品結晶形特許の出願方策を提案する。また、台湾では2019年にパテントリンケージ制度が施行され、これにより医薬品特許訴訟件数が大幅に増加したほか、特許の有効性判断において、裁判所と台湾特許庁双方がそれぞれ判断権を有する「ダブルトラック制度」を採用している。そこで、本稿では当制度施行後に下された特許権侵害訴訟の判決を分析し、ダブルトラック制度下における医薬品パテントリンケージ訴訟の方策についても提案する。 |