「知財管理」誌
Vol.73 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 3号 / 377頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 79) |
論文名 | (No. 79) [米国]実施例に基づき新たに設定した 数値範囲クレームが記載要件違反となった事例 |
著者 | 斉藤 卓 |
抄録 | 原告の特許は複数の継続出願の最後の継続出願であり、最初の出願の明細書中に明示されていない数値範囲及び単独の数値をクレームとした出願である。原告の特許権侵害訴訟に対して被告は当事者系レビュー(Inter Partes Review(IPR))を申請した。IPRで被告は、数値範囲が最初の出願の明細書中に記載されていないことから、本件特許の優先日が最初の出願の出願日まで遡らず、最初の出願の出願日と本件特許の出願日の間に開示された引例によってクレームは無効と主張した。米国特許庁の特許審判部は数値範囲を有するクレームは無効、単独の数値を記載したクレームは有効と判断した。なおクレーム無効の判断は引例に基づくものであるが、実質的にはクレームが記載要件違反であるかどうかが争点であった。原告及び被告ともに上訴し、連邦巡回区控訴裁判所は、特許審判部の判断を支持した。 |