「知財管理」誌
Vol.73 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 3号 / 267頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ステークホルダーとの企業価値協創のための 知財・無形資産ガバナンス強化─知財・無形資産ガバナンスガイドラインVer1.0について─ |
著者 | 田中茂明 |
抄録 | 技術革新の加速化等に伴い、知財・無形資産への積極的な投資が国際競争の成否を分けるようになってきている。その投資資金を有利に調達し、企業価値向上を実現するには、価値創造ストーリーと知財・無形資産形成のための投資計画等の戦略を策定し、その実行ガバナンスを強化し、これを積極的に投資家等に開示し、対話を行っていく必要がある。こうした背景から2021年6月にコーポレートガバナンス・コードの改訂が行われ、知財投資戦略の開示と取締役会による監督強化のあり方を示すため、2022年1月に「知財・無形資産ガバナンスガイドライン」が策定された。同年夏には、「価値協創ガイダンス2.0」等の開示・対話ツールの策定・改訂も行われた。長期的な企業価値向上に向けた取組強化の機運が高まる中、企業経営層自らのリーダーシップによって、知財・無形資産戦略経営とその実行ガバナンスの強化を図り、企業価値の向上に繋げていく組織能力の引き上げが求められている。 田中茂明* |