「知財管理」誌
Vol.73 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 1号 / 53頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | IPR後の特許無効化手段としての 査定系再審査の検討 |
著者 | 国際第1 委員会 |
抄録 | 米国において、他者の特許を無効化する制度としてIPRがあるが、IPRでの無効化成功率は50%を下回っており、無効化に至らないことの方が多い。そこで、IPRでの他者特許無効化に失敗した際、その後に当該特許を無効化できる可能性がある他の手段があれば有用である。 本稿では、査定系再審査に着目し、IPRでの無効化に失敗しても、その後に査定系再審査を請求することで、無効化(訂正による無害化も含む)を達成した事例等を検討した。その結果、査定系再審査請求時には、1)IPR請求時とは副引例を替えて自明性を強化する、2)IPRで開示が不十分とされた箇所の説明を補充する、3)引例の解釈に関してIPRと異なる観点を提示する、4)IPR請求時とは引例の組み合わせを変更する、などによって、査定系再審査での無効化が可能となることがわかった。この結果から、IPRで審理が開始されずに無効化に失敗した場合に、査定系再審査による無効化を検討することを提言する。そして、その際に留意すべき点についても説明する。 |