「知財管理」誌

Vol.73 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 73巻(2023年) / 12号 / 1540頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 547)
論文名 (No. 547) 分割要件(新規事項の追加)の基準の検討─技術常識を考慮して補正が新規事項の 追加に該当するかどうかについて争われた事例─
著者 林 佳輔
抄録  分割要件(新規事項の追加)の基準について争われた審決取消訴訟の判決を検討した。知財高裁は、その特許出願の出願当時の技術常識(分割出願であれば原出願の出願当時の技術常識)を参酌して、明細書や図面に明示的な記載がなくても、「発明が解決しようとする課題」が認定できるかどうかという新規事項追加の判断基準を示した。知財高裁が示した新規事項の追加の判断基準及び出願当時の技術常識の認定基準を考察した。また、親特許発明が装置の発明であるところ、本件特許発明は方法の発明であったことが判断に影響を与えたのか、本件判決によって示された出願当時の技術常識の認定基準が権利解釈を行う第三者に及ぼす影響、分割プラクティスの留意点についてもそれぞれ検討した。
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