「知財管理」誌
Vol.73 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 12号 / 1449頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | IPR審理開始の判断基準 「NHK-Fintivルール」の運用指針が明らかに |
著者 | 岸本芳也 |
抄録 | IPR(当事者系レビュー)と併行する地裁での裁判が公判に近い段階にあるなどの場合、たとえIPR申立が認容される見込みがあったとしても、特許審判部(PTAB1))の行政特許判事2)(審判官)はその裁量権を行使してIPR審理を開始しない決定を下すことが認められている。これは、米国特許商標庁(USPTO)の元長官Andrei Iancu氏の下で規定された『NHK - Fintivルール(Fintivルール)』と呼ばれる規則である。このFintivルールの合法性や制定過程の適法性などをめぐり、過去約3年間にわたり物議を醸していた。 最近ではFintivルールに基づく裁量的拒否件数が激減したものの、依然として同ルールがPTABでどのように運用されているのかは明確ではなかった。USPTO長官の暫定ガイダンスや、長官レビューを経て、PTABの裁量によるIPR審理開始の判断基準、いわゆるFintivルールに関する最新のPTABの運用指針が明らかになった。 |