「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 9号 / 1055頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国における機能的クレームの明瞭性に関する事例紹介 |
著者 | 国際第1委員会 |
抄録 | 機能的クレームとは、クレームに機能的表現を用いたものであり、発明を構造ではなく機能で表現したクレームである。米国特許商標庁における機能的クレームの取り扱いは特許審査便覧に記載されているものの、機能的クレームに求められる記載要件について、どの程度の開示が必要なのか判断に迷うことがある。当委員会では、機能的クレームを用いる際の留意点を検討するために、機能的クレームに関する連邦巡回区控訴裁判所(以下、CAFCという。)の判決を調査分析した。本稿では、抽出したCAFC判決のうち、明瞭性に関する判決を抜粋し、機能的クレーム利用時の明細書の開示に関する留意点を紹介する。分析した判決から、明瞭性を満たすためには、コンピュータ関連発明でない場合に少なくとも汎用目的の構造が開示されているか、クレームされた機能に関する明細書の開示が機能の説明にとどまっていないか、別の文書の参照による構造の開示が適切か、クレームされた機能と明細書中の構造とのリンクが明瞭か、という点に特に留意する必要があることがわかった。 |