「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 9号 / 1045頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | インド特許の分割出願における実務上の留意点─近年の規則改正と運用改善,残された論点への対応─ |
著者 | 安田 恵 |
抄録 | 現行のインド特許法は、Trips協定のミニマムスタンダードを満たしているものの、日本の特許法とは法体系が異なり、独自の規定や不明瞭な条項を有している。こうした規定について、明確なガイドラインも無く、優先権証明書の翻訳文(英訳)の取り扱い等、特許を権利化するうえで留意すべき点が多く存在していたが、近年、インドでは特許規則の改正が行われ、審査実務の運用が改善されつつある。一方、馴染みのある制度で、条文自体は比較的明確ではあるものの、インド独自のケースローが積み上げられ、日本や諸外国と異なる審査運用が定着していることがある。その代表的な制度の1つに分割出願制度があり、日本の出願人が困惑する事例が生じている。本稿では、近年の特許規則改正および特許審査の運用状況を概観し、分割出願における実務上の留意点および対応方法について考察する。 |