「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 7号 / 855頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 71) |
論文名 | (No. 71) [台湾]並行輸入の真正品に付された 登録商標の広告利用の限度について |
著者 | 李 文傑/劉 倫仕 |
抄録 | 本稿で紹介する中間判決は、台湾において、LEGO商標の商標権者であるLEGO社(以下「X社」という)を原告、LEGO商標が付された積み木玩具(並行輸入された真正品)及びその他のブランドの玩具を販売している台湾の玩具販売専門業者(以下「Y社」という)を被告とするものである。X社は、Y社がトラックにLEGOステッカー(真正品)を貼り付け、LEGOの玩具のトラックに模した実物のトラックを「動くレゴトラック」として宣伝活動に利用した行為等が、LEGOの商標権を侵害しているとして、知的財産裁判所に使用差止め等を求める民事訴訟を提起した。裁判所は、Y社の広告方法は合理的な範囲内といえるか、X社の商標権は消尽により主張できなくなったといえるか、公平取引法違反となるか等について判断し、いずれもY社の反論を退けた。本稿では、主に並行輸入した真正品の広告をする際における商標使用の合理的範囲に焦点を当てて本判決を紹介し、実務上の留意点を示す。 |