「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 7号 / 839頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 531) |
論文名 | (No. 531) 並行輸入と商標権侵害 ─「輸入品の真正性の要件」及び「品質管理性の要件」─ |
著者 | 廣田美穂 |
抄録 | 本件では、外国の販売業者から商品を輸入及び販売した被告の行為が、真正商品の並行輸入として違法性が阻却されるか否かが争いとなった。本件では、外国の販売業者が、正規代理店との契約解除後に手元に残った在庫品を、当該契約での販売地制限条項に反して我が国に流通させたという点で、特殊性を有する。 真正商品の並行輸入として違法性が阻却されるための3つの要件のうち、本稿では、本判決で詳細に検討された「輸入商品の真正性の要件」及び「品質管理性の要件」につき、本判決を題材として検討する。また、商標権者の意思が及ぶ範囲で締結される各種契約条項がこれら要件に与える影響を整理し、正規ルートの国内業者の立場での対策を検討するとともに、正規ルートとは別ルートの輸入業者の立場での留意点についても考察する。 |