「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 7号 / 815頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 米国特許侵害訴訟における 提訴前調査義務違反に対する制裁の回避と活用 |
著者 | 国際第1委員会 |
抄録 | 米国特許侵害訴訟では、特許侵害訴訟を提起しようとする特許権者に対し、訴訟提起前に被疑侵害品の調査(以下、提訴前調査)を行う義務及び当該義務違反に基づく制裁を課しており、訴訟提起を検討する際に重要となる。当該調査義務及び制裁は、訴訟において主張書面を提出する者に要求される調査義務を規定する連邦民事訴訟規則(Federal Rules of Civil Procedure)(以下、FRCP)11条(以下、FRCP11)に基づくものである。当委員会では、提訴前調査の義務違反が争われた事例の調査研究を実施し、FRCP11の制裁がどのような場合に適用されるのかを詳細に分析した。特に、被疑侵害品を入手できない場合において求められる調査義務の範囲と訴訟における当該調査の「適切な説明」について詳細に述べる。本稿では、当該分析結果に基づき、特許権者の立場からFRCP11に基づく制裁を回避するために取るべき対応を、また、被疑侵害者の立場からFRCP11違反に対する制裁を活用する方法を、それぞれ提言する。 |