「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 5号 / 640頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 69) |
論文名 | (No. 69) [米国]IPRの合憲性に関するArthrex連邦最高裁判決 とUSPTO長官レビュー手続き ─日本企業の米国特許訴訟戦略への影響─ |
著者 | 土井悦生/ブラッドリー・ラウシュ |
抄録 | 2011年アメリカ発明法が成立し米国特許法の大改正が行われた。同法施行に伴い、2012年9月、新たな無効審判制度として当事者系レビュー制度(IPR)が施行された。IPRは施行以来米国特許の有効性を争う手段として活発に利用されてきた。しかし米国連邦最高裁判所は、2021年6月21日、IPR制度が違憲であるとの判決を下した。米国特許商標庁は、同判決で指摘された違憲状態を是正するため、同6月29日、暫定USPTO長官レビュー手続きを策定した。本稿では、同最高裁判決及び暫定長官レビュー手続きの概要を説明し、同手続の運用状況に関する最新情報(本稿脱稿時2021年11月29日)を提供する。同時に、今後日本企業が米国特許の無効をIPR等で争う場合、またはIPR等で無効を争われた場合の対応戦略に対し、連邦最高裁判決及び暫定長官レビュー手続きが及ぼす影響につき考察する。 |