「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 5号 / 557頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 知財ミックスによるビジネスモデル保護の戦略 |
著者 | 生越由美 |
抄録 | 近年話題の「知財ミックス」の概念、この概念のルーツ、そして知財ミックスによるベネフィットに関するこれまでの海外での研究を調査した。その結果、日本では「知財ミックス」、米国などでは「知財の併用(Combined uses of IP)」、イギリスなどの欧州では「IPバンドル(IP bundles)」として議論されていることが判明した。また、近年のビジネスモデルの定義と構成要素が大きく変わっていることを確認し、知財ミックスによるビジネスモデル保護のこれからの戦略を議論する。「商標、特許、意匠」の3つで知財ミックスを構築したドイツの事例と共に、「知的資産に含まれる経営理念」を知財ミックスに組み入れているフランスと日本の事例を紹介する。結論として、これからの知財ミックス戦略の構築には、「創作物の保護制度」、「信用の保護制度」、「訴訟期間が比較的短い制度」、「保護期間が長い制度」の4つのパラメーターの比較考量が必要であることと戦略構築のための留意点を示す。 |