「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 3号 / 414頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 527) |
論文名 | (No. 527) 方法の発明の一部の工程のみを実施する 被告による直接侵害が認められた事例 ─「手摺の取付方法」事件─ |
著者 | 小林正和 |
抄録 | 本判決は、被告が製造し、販売する被告製品(手摺)を用いた被告方法(被告が手摺本体にガラス取付枠を取り付け、その後、訴外施工業者がガラス取付作業を行うという一連の手摺の取付方法)が、原告特許発明(手摺の取付方法)の技術的範囲に属するとした上で、被告と訴外施工業者とは共同して被告方法を実施しているとして、原告特許権に対する被告の直接侵害行為を認めるとともに、被告による被告製品の製造等は間接侵害(特許法101条4号)に該当するとし、原告による差止請求及び損害賠償請求等を肯定した事例である。 本稿は、本判決を紹介した上で、本判決で問題となっている方法の発明における一部の工程を実施した者が、特許権の単独ないし共同直接侵害の責任主体となり得るかという論点について、これを認め得る法的構成を紹介しつつ、間接侵害の成否と共に、本判決を考察し、併せて実務上の留意点等を論じたものである。 |