「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 3号 / 390頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 「戦わずして勝つ」, 協創時代に求められる知財戦略の研究 |
著者 | マネジメント第1委員会 第2小委員会 |
抄録 | 競争から協創への流れに伴い、企業間のパートナーシップに基づく協創ビジネスが拡大している。このような環境下で従来の敵対的な知財権の権利行使は、協創ビジネスの可能性を狭めてしまう恐れがある。権利行使は諸刃の剣であり、泥沼化する知財訴訟で双方が疲弊することは避けたい。本研究では、自社の協創ビジネスの成功を目的として、知財を活かしつつも敵対関係を生じず、「戦わずして勝つ」ことを主眼においた知財戦略について検討した。 検討のベースとなる仮想の協創ビジネスモデルを設定し、協創ビジネスの成功には、(1)異業種パートナーのメリット確保、(2)同業種ライバルの戦意低下、(3)将来の異業種パートナーの積極的な誘引、の3つの戦略が重要との仮説を導入した。さらにヒアリングを通じて仮説の検証を行うと共に、自社とライバルとの市場競争関係(後発・拮抗)に応じた「戦わずして勝つ」方法を具体的な知財戦術レベルで考察し、提言としてまとめた。 |