「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 3号 / 281頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | グループ会社以外の他社産業財産権の信託を引き受ける信託会社の法的環境と今後の課題 |
著者 | 諏訪野 大 |
抄録 | 引受可能な信託財産の限定を撤廃した現行信託業法が2004年末に施行され、企業グループ内の産業財産権の集中管理が可能になるなどと喧伝され期待を集めた産業財産権信託であったが、その後、その設定数は低調のまま推移し、2020年、ついに0となった。しかし、その一方で、企業グループの垣根を越え、純粋に他社の産業財産権等の信託を引き受ける会社が登場し、注目を集めている。本稿では、産業財産権法と信託法、さらには両者とそれぞれ関連する法律とを架橋し、現在の産業財産権やそれに関連する権利の信託の制度について概観した上で、法的に疑義が生じると思われる各論的論点について言及し、委託者や受益者となる企業にとっても、受託者となる信託会社にとっても、産業財産権信託に対する予見可能性を高め、それに携わる関係者の事業遂行に資することを目的とする。 |