「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 4号 / 467頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 560) |
論文名 | (No. 560) 「鋼管杭式桟橋」事件にみるサポート要件 |
著者 | 長野篤史 |
抄録 | 「鋼管杭式桟橋」事件(令和5年(行ケ)10020・10021号、令和6年1月23日判決)は、出願時の技術常識を参酌してサポート要件の充足を認めた近時の代表的な裁判例である。本稿では、本事件を解説するとともに、本事件から浮かび上がるサポート要件に関わる論点について検討する。本事件は、発明が適用される条件によっては課題を解決できない場合であってもサポート要件を充足し得るかという論点に対して肯定的な判断を示した。また本稿では、「課題を解決できるか否か」の判断に用いる評価基準は何かという論点について、「相対的基準論」と「絶対的基準論」の二つの考え方があることを解説する。「相対的基準論」に立てば、サポート要件の充足が認められやすいと考えられる。 |
