「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 5号 / 710頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 60) |
論文名 | (No. 60) [米国]普通名称とトップレベルドメインからなる 商標の登録の可否に関する最高裁判決 ―USPTO v. Booking.com事件― |
著者 | 栗下清治 |
抄録 | 商標が本来的に有すべき機能のひとつとして、識別力がある。識別力は、自己のサービス等を他人のサービス等から識別する能力のことである。サービス等の「種類(class)」を示すにすぎない普通名称は、この識別力を欠くため、連邦商標登録が拒絶される。USPTO v. Booking.com事件では、普通名称「Booking」とトップレベルドメイン「.com」の組み合わせからなるBooking.com」の連邦商標登録の適格性が争われていた。最高裁判所は、米国特許商標庁の主張する「普通名称とトップレベルドメインの組み合わせからなる商標は、常に普通名称に該当する」という当然のルール(per se rule)を否定し、「Booking.com」の連邦商標登録の適格性を認めた。本件についての最高裁判所の判断は、今後の実務への影響も大きいと考えられ、その動向が注目されていた。本稿では、この事件に関し、その背景について解説し、判決の内容を考察するとともに、その実務への影響についても解説した。 |