「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 5号 / 652頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | タイにおける特許・小特許裁判の概要と判決事例紹介 |
著者 | 井口雅文 |
抄録 | 近年ASEAN各国での知財での動きは顕著なものがあり、その中でも日本企業が数多く進出しているタイを採り上げる。タイでは、特許審査期間が異常に長期化していたが、この数年に審査官数を急増させ、大幅に審査期間を短縮化させた。さらに、日本とのPPH(特許審査ハイウェイ)により日本からの特許登録が急増しつつある。そこで、権利化後の紛争解決を俯瞰するべく、知財裁判制度の概要と最近の裁判事例を紹介する。1997年に開設された国際取引及び知的財産裁判所は、知財事件の第一審として機能し、年間約3,000件の知財事件を処理しており、その中で特許及び小特許事件は、年間10件余りとなっている。また、2016年より控訴裁判所が開設され、その上級審である最高裁判所と共に三審制となっている。本稿では、最近の分野の異なる事例を選択したが、是非とも判決要約を通じてその審理内容を感じて戴ければと思う。 |