「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 4号 / 586頁 |
論文区分 | 特集(ヘルスケア×知財) |
論文名 | 新型コロナウイルス感染症と知財制度 |
著者 | 藤井光夫 |
抄録 | 世界的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大し、世界各国の経済活動や社会活動を麻痺させ、地球規模で重大な社会問題となっている。治療薬及びワクチンが感染の早期収束と経済回復の鍵を握っており、その研究開発のスピードと同時に、製品化された際には、世界中に速やかに供給できるような体制が求められており、国内外でこの対応のために種々のパートナーシップ等 を通じた企業の取り組みが講じられている。一方で、治療薬及びワクチンの価格を懸念し、強制実施権や知財権を制限する議論も起きている。治療薬及びワクチンをできるだけ早く、必要な人々に供給するためには、研究開発に対するインセンティブを削がないよう当該特許にかかる製品を取り扱っている各企業の裁量を広く認める一方で、種々のパートナーシップ等のような企業の取り組みをサポートする仕組みが重要であると考える。 |