「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 2号 / 203頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国専利侵害事件における 合法的出所の抗弁の概説 |
著者 | 張嵩 |
抄録 | 近年、中国企業の急速な発展に伴い中国企業の専利登録件数が増えている。また、専利侵害訴訟における原告の主体も変わりつつあり、中国企業が原告として外国企業を専利侵害で訴える事件が徐々に増えている。このような状況で、中国で事業を展開する日本企業や中国に現地法人を設立している日本企業にとっては、専利侵害のリスクは無視できないものとなっており、専利侵害の訴えに対する抗弁の検討がより重要になっている。本稿では、中国専利民事訴訟において被疑侵害者側でよく利用される抗弁の一つである「合法的出所の抗弁」について、実際の判例を取り挙げながら、当該抗弁の成立要件や注意事項等について解説する。その中で、完成品メーカーが、専利侵害に該当する部品を専利侵害とは知らずに購入し、完成品に組み込んで完成品全体として販売する場合には、完成品メーカーは法釈〔2016〕1号25条の適用による差止責任の免除を受けられない可能性があることについても解説する。 |