「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 1号 / 118頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 513) |
論文名 | (No. 513) 特許法29条の2の同一性判断 |
著者 | 細田芳徳 |
抄録 | 本事件は、ゲノム編集技術として注目されている発明に関する2つの事件(事件A、事件B)であり、いずれも特許法29条の2における発明の同一性判断が争点になっている。事件Aでは、先願発明が後願排除効を有するための発明の開示の程度が問われ、先願発明において、標的部位における組換えが実験データによって示されていないことが問題とされている。一方、事件Bでは、実質同一の判断において、後願発明である本願発明が「新たな効果」を奏するものであるかが問われ、一部の標的配列に改変効率の向上効果がみられていないことが問題にされている。知財高裁は、事件Aでは、特許法29条の2の適用を肯定した審決を維持し、一方、事件Bでは、特許法29条の2の適用を肯定した審決を取消している。 本稿では、これらの事件を通じて、特許法29条の2のもつ種々の論点について考察する。 |