「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 10号 / 1382頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 522) |
論文名 | (No. 522) 防護標章登録の要件たる「著名性」の判断 |
著者 | 川瀬幹夫 |
抄録 | 本件判例は、商標法第64条1項所定の防護標章登録の要件「需要者の間に広く認識されている」の範囲、程度について明確な解釈を示した点で意義あるものである。 具体的には、原告が、自己の登録商標「Tuché」(指定商品第25類「被服等」)と同一の商標を本願標章とし、指定商品を第5類「生理用パンティ等」とする防護標章登録出願をしたところ、特許庁では、防護標章登録の要件に欠けるとして拒絶審決が出されたので、その審決の取消を求めて提訴した事案であり、当該要件の周知・著名性の範囲、程度が争点とされたものである。裁判所は、係る要件については周知性では足りず、著名性を要し、原登録商標の指定商品の需要者の間において全国的に広く認識されていなければならないと説示し、本願標章はその程度に達していないとして、原告の訴えを退けたものである。 |