「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 1号 / 79頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.441) |
論文名 | (No.441)内在する特性と追試実験 |
著者 | 細田芳徳 |
抄録 | 本事件は、進歩性欠如と判断した無効審決に対する審決取消請求事件であり、本件発明と引用発明との相違点が引用発明に記載はないが「本質的に内在する特性」である場合に、その特性が引用発明にも存することを本件特許明細書の記載を参酌して認定することは許容されるのか否や、また、その特性が引用発明に内在していることを出願後の追試実験によって確認し、優先日当時、当業者が認識できたものと認定することは許容されるのか否や、といった点が争点となった事件である。 裁判所は、本件優先日時点においては、本件特許明細書は未だ公知の刊行物とはなっていないことから、その記載事項を参酌することはできないこと、そして、出願後の追試実験の結果は、あくまで追試時点の結果を示すものであり、本件優先日時点において当業者が認識できたことを裏付けるものとはいえないと判示し、審決を取消している。 本稿では、物に内在する特性について、各種の観点から考察してみた。 |