「知財管理」誌
Vol.55 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 55巻(2005年) / 7号 / 893頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許とマーケティング |
著者 | 嶋宣之 |
抄録 | 特許は「経営の道具」である。経営の道具である以上、企業経営に役立たないものは、特許とは言えない。企業経営に役立たない特許権は、単なる学問上の独占権にすぎず、経営の道具にはなり得ない。 また、特許はよりよい経営をするための「道具」である。また、どんな道具でも、それは、持ち主の器量によって、活かされたり、活かされなかったりする。ハサミも使い手によって切れ味が違うと言われることと同じである。 よく、「特許を取っても何の儲けにもならない」と平気で言う特許担当者がいる。とんでもない話である。特許を企業経営に活かすことができないのは、特許の持ち主である企業が悪いのであって、特許が悪いのではない。 特許を本当に活かそうとすると、マーケティングを無視することはできない。特許とマーケティングとが一体になって初めて、特許を経営に役立てることができると考えるべきである。 本稿では、このような観点から、特許とマーケティングについて述べる。 |