「知財管理」誌

Vol.55 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 55巻(2005年) / 6号 / 699頁
論文区分 論説
論文名 秘密保持契約による秘密情報の保護
著者 村尾治亮
抄録 秘密情報の法律上の保護としては、不正競争防止法による保護、秘密保持契約による保護、不法行為法による保護、従業員の労働契約上の一般的な誠実義務による保護等が存するが、秘密保持契約は、秘密情報の保持者たる企業と秘密情報の開示を受ける者との間で、事前に、保護されるべき情報を明確にし、情報の利用条件・利用方法、違反の場合の効果等を定めることができるという点で他とは異なる特色を持っている。企業の秘密情報の秘密性の保持は、企業間の競争が激化し、人材が流動化し、情報化が進展している現在、その秘密性の保持はますます重要性が増している状況にあり、適切な秘密保持契約を締結する必要性は一段と高まっている。
本稿では、秘密保持契約が問題となった一裁判例を紹介するとともに、企業の内部の者と企業の外部の者との場合に分けて秘密保持契約について検討し、実務の参考に供するものである。
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