「知財管理」誌
Vol.55 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 55巻(2005年) / 5号 / 541頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 改正不正競争防止法における営業秘密保持制度の概要 |
著者 | 清起一郎 |
抄録 | 平成16年6月18日、裁判所法の一部を改正する法律により不正競争防止法に6条の4乃至7が加えられ、秘密保持命令及びこれを補完する制度が創設された。これにより営業秘密の非公知性を維持しつつこれを攻撃防御方法として使用することにより、不正競争行為による営業利益の侵害訴訟において適正妥当な判決を求めることが可能となったものである。具体的には、先ず改正法6条の4は秘密保持命令の制度を創設した。この申立が発令されると、当該秘密保持命令の名宛人は訴訟において接触した当該営業秘密について他に開示したり、訴訟追行の目的以外の目的に使用することを禁じられる。また、改正法6条の5においては、秘密保持命令の取消の申立を認める。更に改正法6条の6においては、秘密保持命令が発令されている訴訟において民事訴訟法第92条1項の訴訟記録閲覧制限がなされている場合、営業秘密を保持するための担保策を講じた。更に改正法6条の7は一定の場合に営業秘密について証言がなされる当事者尋問等の公開停止決定の制度を定めた。 |