「知財管理」誌

Vol.55 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 55巻(2005年) / 1号 / 65頁
論文区分 資料
論文名 網羅的タンパク質研究における知的財産管理
著者 田仲昭子、平井昭光、原井大介、中山圭太郎、藤井敦子、横山茂之
抄録 日本における「タンパク3000プロジェクト」や、米国における「タンパク質構造計画」(Protein Structure Initiative、PSI)など、大規模・網羅的なタンパク質構造・機能解析プロジェクトが多数進行しており、何千ものタンパク質の立体構造が比較的短期間で決定される見通しとなっている。独立行政法人理化学研究所(理研)は、タンパク3000プロジェクトの担当研究から生まれた知的財産等成果物の技術移転のために、本年度から新規プロテオーム創薬共同研究制度(パートナー制度)の運用を開始した。本パートナー制度は、タンパク質試料や立体構造情報等の「創薬に有用な中間成果」等を民間企業に提供して対価を収受する、という基本スキームを採っている。「構造データ単独では特許権の取得に不十分である」という障害をクリアして、網羅的タンパク質研究の知的財産を保護活用することが期待されている。本稿では、その背景、内容、ポリシー等を紹介するとともに、網羅的科学研究における知的財産保護に関して新しい枠組みを提唱するものである。
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