「知財管理」誌

Vol.55 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 55巻(2005年) / 1号 / 13頁
論文区分 論説
論文名 米国デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の適用限界に初の連邦控訴裁判所判断―再製品の利用は果たして許されるのか?純正品 対 再製品―
著者 中嶋知子
抄録 米国では1998年10月にデジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act、通称DMCA)が成立し、本法律は2000年10月に施行された。この法律は、デジタル時代の著作権の不正コピーに対処するために新しく設けられた法律である。しかし、最近このDMCA違反を理由に、ハードメーカーが自社のハード製品を消費者に販売した後にも自社の純正品の交換部品・消耗品を消費者に購入させるために、ハード製品にコンピューターチップを組み込むようになった。ハードメーカーの純正品は、非純正品を製造する再製品業者製品より高額であり、消費者は純正品を購入せずに再製品に流れる傾向があるためそれに歯止めをかけるためだ。もちろんのこのコンピューターチップがなければ再製品は、ハードに装着されても作動しない。そのため、再製品業者もこれに対抗してそのコンピューターチップに似たものを開発するようになった。ハードメーカーは2000年に改正されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に目をつけ、この法律に基づいてコンピューターチップのコピー違反として、再製品業者およびコンピューターチップ開発会社を訴えるケースが生じてきた。この訴訟は、DMCAを悪用した訴訟であると見なされどこまでDMCAが適用されるのかについて、はじめて連邦控訴裁判所が判断したケースとして注目されていた。
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