「知財管理」誌
Vol.55 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 55巻(2005年) / 11号 / 1643頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.321) |
論文名 | No.321 将来の侵害態様に対処できる特許出願実務の一考察 |
著者 | 玉井敬憲 |
抄録 | 本件は、「接着剤」なる用語と「シーリング剤」なる用語とが記載されたクレーム(特許請求の範囲)の解釈において、両者が同一である侵害態様が特許発明の技術的範囲に属するか否かが争点となった事案である。これらの技術用語における概念は、特許発明の実質的価値を考慮すれば、截然と区別できるものではなく、重畳的な部分を含んでいると考えることができる。しかし、裁判所は、当業者は両者を異なるものと認識するのが通常であると判示した。特許出願の手続において将来のあらゆる侵害態様を予想して対処することは極めて困難であるが、本件のような侵害態様が特許発明に包摂されるようにするためには、実務上、どのように対処すべきであろうか。判決の妥当性を検討したうえで、実務者の視点から将来の侵害態様に対処できる特許出願実務について考察する。 |