「知財管理」誌
Vol.55 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 55巻(2005年) / 10号 / 1447頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.320) |
論文名 | No.320 同一ブランドに係る内外の営業主体が異なる場合に並行輸入の抗弁が成立するか |
著者 | 山田威一郎 |
抄録 | 本稿で取り上げるダンロップ並行輸入事件は、スポーツ用品のブランドとして著名なダンロップブランドのゴルフ用品を並行輸入する行為が商標権侵害に当たるか否かが争われた事件である。大阪地裁は、並行輸入された被告製品は、真正商品の並行輸入が許容されるための3要件((1)真正商品性、(2)内外権利者の同一性、(3)品質の同一性)をいずれも満たさないとして、商標権侵害を肯定した。ダンロップブランドは、もともとスポーツ用品およびタイヤに関する英国の著名なブランドであったが、現在では、日本の営業主体と海外の営業主体が全く別個に営業を展開し、内外権利者の間で資本的、法律的な関係は切断されていることがその主たる理由である。本稿では、本件大阪地裁判決を中心に、真正商品の並行輸入に係る判断枠組、実務上の問題点につき検討を加える。 |