国際活動

2024年11月11日〜22日 意匠法条約(DLT)外交会議への参加

2024年11月11日から11月22日、サウジアラビアのリヤドにて意匠法条約(DLT)の外交会議が開催されました。
外交会議ではWIPO加盟国の各国意匠制度の手続要件の調和を図るための条文が議論され、世界各国の政府機関代表者や各国間グループの代表者がメンバーとして、認定された政府間機関や非政府組織等からの代表がオブザーバーとして参加しました。
JIPAからは意匠委員会の林佑樹(本田技研工業株式会社)、小池夕季(三菱電機株式会社)の2名を派遣しオブザーバーとして参加しました。事前に提出したStatementや当日のOpening DeclarationではJIPAとして実務に影響の大きい2つの制度(公開繰延に関する規則6、及びグレースピリオドに関する第7条※草案時は第6条)について重要視している旨、また、それらの制度がユーザーにとって実効性を有するものとなるよう、必要十分な期間を設定してほしい旨の要望を発信しました。

注目していた条文・規則草案の内容は以下のとおりであり、2024年11月22日に採択されました。

  • 規則6 公開繰延:
    公開繰延を認める最短期間について、起算日を「出願日または優先日」としていた草案に対して「出願日」のみとすることを求めた日本提案がとおり、最短期間を「出願日から6月」とする必須規定とされました。
  • 第7条 グレースピリオド:
    グレースピリオドの期間を「6月または12月」とする草案に対して「12月」とすることを求めた日本提案が通り、期間を「12月」とする必須規定とされました。

DLTの採択は、意匠における国際協調の大きな一歩であり、このような重要な外交会議の場において、JIPAの意見を発信できたことは大きな成果となりました。今後は、DLTへの日本の加盟について、ユーザーの立場から検討を行っていきます。
  • 意匠法条約(DLT)の外交会議の会場
  • 意匠委員会 小池夕季氏、林佑樹氏
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