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国際活動
三極特許庁長官・ユーザ会合、三極ユーザ会合への参加報告
2022年11月7日〜9日、米国 ダーラム(ノースカロライナ州)にて開催された三極ユーザ会合(Industry Trilateral Meeting)、および三極特許庁長官・ユーザ会合(Trilateral Heads of Office with Trilateral Industry Meeting)に、伊東理事長、国際政策プロジェクトの田中プロジェクトリーダー、宮下WGリーダー、大塚WGリーダー、小早川委員が参加しました。今回は、3年ぶりに一堂に会する形で開催され、バーチャル会合では得られない細かな議論を行うことができ、個々のトピックに対してより深い検討が行われました。
三極ユーザ会合では、三極特許庁長官・ユーザ会合の準備及びラップアップに加え、IP5(5大特許庁)により検討が進められている電子署名について、並びにB+サブグループ(先進国特許庁グループ)にて継続されている、実体面での特許制度調和議論の各項目につき議論が行われました。
また三極特許庁長官・ユーザ会合においては、三極特許庁が進める様々な施策に関する説明が行われ、その内容に対するユーザからのコメント及び意見表明等が行われました。
これらの会合では、短期間ながらも幅広い主題に関する活発な討議が行われ、参加者は制度調和、ユーザの利便性向上や品質の向上に向け、日本のユーザを代表して積極的に議論に参加し、意見・要望を発信してまいりました。
11月7日及び8日(午前)の会議では、11月8日午後に開催された三極特許庁・ユーザ会合の議題とその内容の確認を行い、それぞれの議題に対するユーザコメント及び意見の検討を行いました。特に、各特許庁の中小企業支援に関する議題に対しては、JIPAをはじめ各ユーザ団体の行っている取り組みについての説明が行われ、特にJIPAからは、少数知財研究会に照会して頂いたコメント・要望について紹介し、三極ユーザ団体の統合コメントとしてJIPAから発表することで合意を得ました。また、包括的イノベーションに関する議題に関連し、JIPAから企業による包括的イノベーションの事例紹介を行い、ユーザコメントに取り入れることにつき、各ユーザ団体の賛同を得ました。
また、9日の会議では、前日の三極特許庁・ユーザ会合のラップアップとして、特に今後の三極特許庁とユーザの連携に関して協議を行った他、B+サブグループ(カナダ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、日本、韓国、スペイン、イギリス、アメリカ、EPOの各特許庁から構成されるグループ)において検討が進められている、実体面での制度調和(先行技術の定義、グレースピリオド(日本における新規性喪失の例外規定)、衝突出願(公開前先出願における後願排除効)、先使用権等に関する制度調和)について、グレースピリオドを中心に議論が行われ、各国が合意可能な制度内容等に関する検討が行われました。
その他、9日の会議においては、IP5(5大特許庁)において検討が進められている電子署名の問題に対しも、ユーザの意見をまとめるべく議論が行われました。
中小企業とIPエコシステムに関する議題では、三極ユーザを代表し、大塚WGリーダーが、各ユーザ団体の取り組みと、JIPA会員企業から寄せられた要望に関するプレゼンを行いました。また、包括的イノベーションに関する議題においては、田中プロジェクトリーダーが、企業による包括的イノベーション活動の事例紹介を通じて、特許だけでなく意匠を含めた活動の重要性を説明するとともに、表彰受賞履歴と特許・意匠出願の紐づけによる活動プロモーションを提案するプレゼンを行いました。
また、会の最後では、今後も三極特許庁・ユーザ間の密な連携を継続していくことを確認し、閉会されました。
三極ユーザ会合では、三極特許庁長官・ユーザ会合の準備及びラップアップに加え、IP5(5大特許庁)により検討が進められている電子署名について、並びにB+サブグループ(先進国特許庁グループ)にて継続されている、実体面での特許制度調和議論の各項目につき議論が行われました。
また三極特許庁長官・ユーザ会合においては、三極特許庁が進める様々な施策に関する説明が行われ、その内容に対するユーザからのコメント及び意見表明等が行われました。
これらの会合では、短期間ながらも幅広い主題に関する活発な討議が行われ、参加者は制度調和、ユーザの利便性向上や品質の向上に向け、日本のユーザを代表して積極的に議論に参加し、意見・要望を発信してまいりました。
1.三極ユーザ会合(11月7(午後)、8(午前)、9日)
日米欧の三極ユーザ団体(JIPA、AIPLA、IPO、Business Europe)が集まり、種々のトピックに対する協議・検討を行いました。今回は3年ぶりに直接顔を合わせる形で開催された会合であり、各議題に対して細かな意見を直接出し合い、深く効率的な議論を行うことができました。11月7日及び8日(午前)の会議では、11月8日午後に開催された三極特許庁・ユーザ会合の議題とその内容の確認を行い、それぞれの議題に対するユーザコメント及び意見の検討を行いました。特に、各特許庁の中小企業支援に関する議題に対しては、JIPAをはじめ各ユーザ団体の行っている取り組みについての説明が行われ、特にJIPAからは、少数知財研究会に照会して頂いたコメント・要望について紹介し、三極ユーザ団体の統合コメントとしてJIPAから発表することで合意を得ました。また、包括的イノベーションに関する議題に関連し、JIPAから企業による包括的イノベーションの事例紹介を行い、ユーザコメントに取り入れることにつき、各ユーザ団体の賛同を得ました。
また、9日の会議では、前日の三極特許庁・ユーザ会合のラップアップとして、特に今後の三極特許庁とユーザの連携に関して協議を行った他、B+サブグループ(カナダ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、日本、韓国、スペイン、イギリス、アメリカ、EPOの各特許庁から構成されるグループ)において検討が進められている、実体面での制度調和(先行技術の定義、グレースピリオド(日本における新規性喪失の例外規定)、衝突出願(公開前先出願における後願排除効)、先使用権等に関する制度調和)について、グレースピリオドを中心に議論が行われ、各国が合意可能な制度内容等に関する検討が行われました。
その他、9日の会議においては、IP5(5大特許庁)において検討が進められている電子署名の問題に対しも、ユーザの意見をまとめるべく議論が行われました。
2.三極特許庁長官・ユーザ会合(11月8日)
日米欧の三極特許庁から、日本国特許庁(JPO) 濱野長官、米国特許商標庁(USPTO) ヴィダル長官、 欧州特許庁(EPO) カンピーノス長官が参加され、三極ユーザ団体との間で、種々の施策や今後の協力体制に関し、各庁からの現状説明並びに意見交換が行われました。具体的には、三極特許庁におけるデジタル化の取り組み状況、各特許庁作成の知財集約型産業に関するレポート、中小企業とIPエコシステム、包括的イノベーション、今後の三極庁・ユーザ協力について、各庁及びユーザからの説明並びにコメント発信が行われました。中小企業とIPエコシステムに関する議題では、三極ユーザを代表し、大塚WGリーダーが、各ユーザ団体の取り組みと、JIPA会員企業から寄せられた要望に関するプレゼンを行いました。また、包括的イノベーションに関する議題においては、田中プロジェクトリーダーが、企業による包括的イノベーション活動の事例紹介を通じて、特許だけでなく意匠を含めた活動の重要性を説明するとともに、表彰受賞履歴と特許・意匠出願の紐づけによる活動プロモーションを提案するプレゼンを行いました。
また、会の最後では、今後も三極特許庁・ユーザ間の密な連携を継続していくことを確認し、閉会されました。
(参考) 日本特許庁HP「第40回三極特許庁長官会合の結果について」
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/nichibeiou/nitibeiou_meeting_40.html