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国際活動
WIPO PCT作業部会(第15回)への参加
スイス・ジュネーブの世界知的所有機関(World Intellectual Property Organization: WIPO)において、2022年10月3日から10月7日にかけて第15回PCT作業部会(PCT-WG)が開催されました。PCT-WGは、PCT同盟総会に提案すべき議題を、加盟国の政府、国際機関代表、およびユーザー団体が一堂に会して事前に協議する国際会議で、2008年より開催され今回で15回目になります。2020年に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、第13回からハイブリッド形式で開催されています。今回は一部の加盟国の政府機関等の現地参加が認められました。今回もJIPAはオブザーバーという立場で参加しており、国際第2委員会の林潤平委員長(キヤノン)がオンラインにて参加しました。
今回の主要議題は、「国際出願及び関連書類の提出媒体」、「PCTにおける方式審査」、「PCT最小限資料」及び「非書面開示の引用」でした。
「国際出願及び関連書類の提出媒体」については、ブラジルから規則89の2.1を改正し、国際出願を原則、電子出願とする提案がありました。しかし、紙の形式での出願数が少なくなっているとはいえ、この規則改正は尚早であるとの声が数多くの庁から上がりました。
「PCTにおける方式審査」については、規則26.3及び28.1を改正し、PCTの方式審査の主体を受理官庁から国際事務局に移転させることが提案されました。賛成意見がありましたが、受理官庁の方がタイムリーにチェックできるという意見や、国際事務局と出願人のコミュニケーションにも課題あるという意見があり、改正案は合意に至りませんでした。
「PCT最小限資料」については、EPOからPCT最小限資料に関する規則の改正案が提案されました。非特許文献を最小限資料に含める基準として「デジタル形式かつオンラインで利用可能である」ことを明確化にする修正等がありましたが、合意には至りませんでした。
「非書面開示の引用」については、事前打ち合わせにてJIPAから日本特許庁に伝えた「複製の保存のガイドラインを検討すべきである」という要望が、日本特許庁から発信されました。
最終日の7日にミハイロビッチ議長より、2023年7月に予定されているPCT同盟総会に提出する議題が確定しなかったため、急遽、次回の第16回PCT作業部会を2023年2月にオンラインのみで開催することが発表されました。