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WIPO-IGC 30th(政府間遺伝資源等会合)への参加
2016/5/30-6/3にかけての5日間、スイス・ジュネーブにてWIPO第30回Intergovernmental Committee on Intellectual Property and Genetic Resources, Traditional Knowledge and FolkloreIGC (IGC:遺伝資源等政府間委員会)会合が開催され、WIPOプロジェクトForest WGより菊地委員と宮武委員、他事務局より全3名が参加しました。当会合へは、JIPAから初めての参加となります。
IGCでは、知的財産と遺伝資源・伝統的知識・伝統的文化表現・フォークロア(TCEs)の保護の関係について、国際的な法律文書(テキストベース)の議論が行われています。2000年に議論が開始されましたが、目的や保護対象、受益者といった基礎的事項に合意は得られておらず、先進国・新興国間での意見の隔たりが埋まらない状況です。
Forest WGでは、国際的な取り決めが、海外由来の遺伝資源を用いた発明や知的財産権・企業活動へどのような影響を及ぼすか研究を進めています。今回の会合は、遺伝資源にフォーカスした議論の場であり、注目度の高い用語の定義や、出所開示義務について意見が交わされました。
活発な意見交換がなされましたが、本会でも先進国・新興国間での意見の隔たりは埋まらず、WGとしても最も関心の高い「出所開示義務」についても統一見解の作成には至りませんでした。7月に、上記国際的な法律文書の最終案が公開される予定となっています。
今回、実際に会議に参加することで、各国の具体的な意見や、委員会に参加している各団体との情報交換を通じ、多くの情報を得られることができました。また、今回の議論をベースに出所開示義務に関する議論が進められると推測され、意匠法等、関連他法域への出所開示義務の影響も予測されます。
また次回以降のIGCでは伝統的知識・文化的表現等の出所開示義務について議論される予定ですので、今後も引き続き議論の進捗をウォッチングする必要があると考えます。
[Update 2016-07-05 ]