トピックス

商標委員会 第5回TM5ユーザー会合への参加

 2016年10月29日(土)、中国・昆山市において開催された、日本・米国・欧州・中国・韓国の商標五庁(TM5)会合のユーザーミーティングに参加しました。本会合では、TM5が取り組んでいるプロジェクトや共通テーマについてユーザー団体と意見交換を行い、商標制度・運用の改善およびユーザーフレンドリー・ハーモナイゼーションの促進を目的としています。

 参加団体は、JPO、USPTO、EUIPO、SAIC及びKIPOの各国商標所管官庁と各国・地域のユーザー団体、商標事務所等でした。日本のユーザー団体としてはJPAA、JIPA(商標第三小委員会 中村小委員長(写真右)・吉田副委員長(写真左))が参加しました。

 各庁と各団体との質疑応答では、悪意の商標出願に関する審査・異議段階における対策、図形のイメージサーチプロジェクトの進捗、IDリストプロジェクトにおける現状の課題等について質問が行われました。

 JIPAからは、五庁が協力して進めているプロジェクトに対する意見発信及び質問・要請を行ってきました。具体的な内容は以下の通りです。

(1)ユーザー参画プロジェクト
 ユーザーとの関わりの深いTM5プロジェクトに対してユーザー参画を検討するプロジェクトに対し、「日本のユーザー団体として協力できることがあると思う。今後、ユーザー参画の計画等があれば是非参加したい。」と表明してきました。
 プロジェクトを主導するJPO/EUIPOからは、次年度INTA総会におけるJoint Workingなどでユーザーとの連携を検討する旨の回答がありました。

(2)TMViewプロジェクト
 ユーザーに広く用いられている無料の商標検索データベースTMViewへ各国の商標データの統合を促進するプロジェクトに対し、JIPAからは利便性をさらに向上させるため、「中国の商標データはいつ反映されるのか。中国は加盟企業にとって重要な市場であってTMViewで出願・登録商標を検索できると大変便利である。早期に反映してもらいたい」と要望しました。
 これに対し、SAICからは商標の商品・サービス記載の翻訳に関する課題がある点に触れながらも、現在中国国内の承認手続きが進んでおり前向きに取り組んでいる旨の回答を得ることができました。

 来年度はEUIPO主催で開催が予定されており、引き続き商標制度のハーモナイズのための検討が進められる予定です。企業にとってメリットの大きい取組みであり、商標委員会として今後も検討の進捗を把握し、グローバルに使いやすい商標制度を実現するための協力を続けていきたいと考えています。

                                                      以上

[Update 2016-11-22 ]