「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 8号 / 1066頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ((No. 485) 特集:第4次産業革命(その1)AIに関する知財動向とビジネス上の留意点) |
論文名 | (No. 485) 機械学習の学習結果を利用したクラウド型ソフトウェアにおける侵害成否 |
著者 | 村尾治亮 |
抄録 | 本稿は、フィンテック分野の代表的な企業間で争われたクラウド型ソフトウェアにおける特許侵害の成否が争われた事件を取り上げたものである。原告は、情報処理に関する特許権に基づき、被告の機械学習による学習結果を利用した情報処理技術について特許侵害を主張したが、裁判所はクレーム解釈において機械学習による学習結果を利用した情報処理技術は含まない旨判断した上文言侵害を否定し、被告製品・方法は原告の特許発明の本質的な部分を充足していない等判断して、均等侵害の成立を否定した。情報処理の技術は急速に発達しているが、本事件は、こうした状況において特許紛争が生じた場合のクレーム解釈や均等論の問題、証拠収集の困難等について、示唆に富む事例を 提供するものである。 |