「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 6号 / 758頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 483) |
論文名 | (No. 483) 選択発明の新規性判断 |
著者 | 細田芳徳 |
抄録 | 本事件は、いわゆる選択発明の特許性判断に係る事件であり、新規性欠如を理由とする特許無効審決に対する取消訴訟である。本件発明と引用発明は、いずれも複数の成分を含む液晶組成物であり、各成分は一般式で示される多数の選択肢から選択されるものであるところ、審決は両発明の間に一応の相違点を認めながら、いずれの相違点も実質的な相違点ではないとして、新規性を否定し特許を無効とした。 一方、知財高裁は、審決では、各相違点における選択をそれぞれ個別に検討しているのみであり、これらの選択を併せて行った際に奏される効果等について何ら検討していないことから、必要な検討を欠いたまま本件発明の特許性を否定しているものであり、審理不尽の誹りを免れないとして、審決を取消した。 本事件は、選択発明の特許性(新規性)を判断する際の相違点の検討のあり方が問われた事件である。 |