「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 5号 / 654頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 482) |
論文名 | (No. 482) 飲食品の風味に関するパラメータ発明のサポート要件─トマト含有飲料事件─ |
著者 | 北野善基 |
抄録 | 本件は、特定の風味を有するトマト含有飲料の提供を課題とする、構成が数値範囲で規定された飲料に関する発明について、サポート要件の適合性を認めた審決が取り消された事案である。本件判決は、いわゆる偏光フィルム事件大合議判決1)が示した、パラメータ発明に関するサポート要件判断規範への当該事件の当て嵌めにおいて、数値範囲と得られる効果(風味)との関係の、技術的な意味を示すための風味評価試験のあり方を厳格に求める姿勢を示し、また官能試験を用いた風味評価の客観性、正確性を否定した。風味評価試験のあるべき姿を厳格に求める前提として示された理由について疑問の余地はあるが、本件判決を踏まえた実務的対応について検討した。 |