「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 5号 / 587頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 大企業の未使用特許を中小企業で利活用する知財マッチングの取り組み─川崎市での活動内容と事例─ |
著者 | 宇崎勝 |
抄録 | 大企業の保有する未使用特許の活用手段として、近年、中小企業などの新製品開発に役立てる目的で開放特許化する動きが目立ってきた。しかし、大企業の開放特許群は中小企業には宝の山であるものの、機械的な情報提供での技術移転事例は多くない。そこで開放特許ライセンスを円滑化するのが、行政、支援機関、金融機関等が触媒役を務める「知財マッチング」の取り組みである。そこでは多種多様な経営環境にある中小企業に合わせた“擦り合わせ”の支援が移転の成約確率を高めている。現在、この取り組みが全国に広がり、製品化等の支援も含めたハンズオン型の知財マッチングを進めることで、成果が上がってきている。本稿では、2007年から先駆的に知財マッチングに取り組んできた川崎市の活動や事例解説を中心に、有効な未使用特許の発掘方法、中小企業とのマッチングの実際、大企業側のメリットについて述べる。 |