「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 4号 / 505頁 |
論文区分 | 特集(知財のターニングポイント) |
論文名 | 欧州企業の知財戦略 1) |
著者 | 守屋文彦 |
抄録 | 日本でも市場の成長が見込めなくなった事業の切り離しにより、企業の事業ポートフォリオを入れ替えるケースを、多く見かけるようになった。ここで紹介するノキア、フィリップスやジーメンスなどの欧州企業の事例では、今後成長が見込める事業分野でも自社の今後の事業の方向性と相乗効果を生み出さない事業について積極的にスピンアウトさせ、自社ビジネスのフォーカスを絞り強化を図っている。また、IMECという欧州の公的な研究機関は、オープン・イノベーションの受け皿として、世界中の大手の半導体企業と連携し半導体分野のプリコンペティティブ(前競争段階)な分野や応用研究の研究開発の拠点となっている。本稿で紹介する欧州の事例から考えると、日本企業の注力すべき知財戦略において、AIなどのツールによる事業や業務の変化を見据えて、事業ポートフォリオの変更まで視野に入れた10年後の事業戦略を想定した、中長期の戦略がますます重要となっていると考える。 |