「知財管理」誌

Vol.68 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 68巻(2018年) / 3号 / 298頁
論文区分 論説
論文名 米国の自明型二重特許とその留意点
著者 日野真美
抄録  米国の自明型二重特許(ODP)禁止は、判例により形成されるルールであり、実務においては、ODPを回避するよう判例に留意する必要がある。CAFC判決In re Hubbell(2013)は、所有者が完全に異なる場合であっても、発明者の一部が同一であればODPの引例特許になることを示した。また、限定要求後の分割出願及び原特許は、互いにODP禁止の引例にならないというセーフ・ハーバー規定の適用は厳格に行われることがG.D. Searle v. Lupin Pharmaceuticals(2015)において確認された。そして、従前の理解と異なり、Gilead Sciences v. Natco Pharma(2014)では、発行日にかかわらず満了日の早いものがODPの引例特許とされることが示され、AbbVie v. Mathilda and Terence Kennedy Institute(2014)では、発行から17年ではなく最先の出願日から20年で特許権が満了するようになった1995年法改正以後も、ODP禁止は重要であることが明言された。Geneva Pharmaceuticals v. Teva Pharmaceuticals(2003)では、引例特許のクレームだけでなく明細書も参照したうえで比較が行われている。Boehringer Ingelheim v. Barr Laboratories(2010)では、引例特許の満了後のターミナルディスクレーマーが認められなかった。
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