「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 2号 / 235頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 33) |
論文名 | (No. 33) [米国]KSR最高裁判決で示された自明性判断基準を適用したCAFC判決─機能を変更して組み合わせる場合の自明性判断 ClassCo, Inc. v. Apple, Inc.判決─ |
著者 | 今泉俊克 |
抄録 | KSR最高裁判決が下されてから10年が経過し、KSR最高裁判決の判示を適用し解釈した判決が多数出されている。本稿では、KSR最高裁判決で示された「当業者は、機械人間ではなく、創造力を持った人間である。多くの場合、自明な利用方法を持つものであり、当業者はパズルのように複数の特許の開示をうまく整合して組み合わせることができる。よく知られたアイテムは、基本的な使い方以外にも自明な利用方法が存在することがあり、当業者は、パズルのピースのように複数の特許の教示をうまく組み合わせすることができる」とする判示をさらに解釈したClassCo, Inc. v. Apple,Inc.判決を紹介する。なお、ClassCo, Inc. v. Apple, Inc.判決では、組み合わせる従来の構成(エレメント)の機能が対象発明と同じでない場合の自明性が争われ、当業者の柔軟な発想を考慮して、組み合わせる従来の構成(エレメント)の機能が対象発明と同じでない場合でも、組み合わせにより自明と判断することができると判示された。 |